近年、農業をビジネスとして捉えて起業という形ではじめられる方が増えてきています。以前のように、農業は代々続く農家が営む印象でしたが、法改正によって参入しやすなったことが大きな要因です。これまでにない新しいビジネスモデルも生まれ、昔ながらのイメージが変わりはじめています。

今回のコラムでは、農業で起業を考えている方に向けて、農業で起業するために必要なこと準備とポイントをはじめ、皆さんが気になる点について解説していきます。

一人農業で起業する!農業をはじめる方法とは?

そもそも農業をはじめるには、どのような方法があるのでしょうか。いくつか方法がありますので解説していきます。

個人で起業・独立就農する

農業と言えば、家業として代々受けついでいくというイメージを持たれる方がいますが、自ら起業して取り組むというケースも多く見受けられます。これを「新規就農」と言います。

新規就農で起業・独立就農するには、農地、栽培技術、資金をはじめとしてさまざまなリソースが必要となります。

これまでサラリーマンとして働いていて農業経験がない場合には、不足しているリソースが多いケースがほとんどです。その場合には、農家さんのもとで働かせてもらうか、あるいは各自治体や企業が実施している農業研修などを受講して、農業のノウハウを身に付ける必要があります。

関連事業:営農サポート事業-圃場研修

農業法人の就職する

単純に農業を仕事にしたいのであれば、農業法人に就職するという方法もあります。イメージとしては、一般企業に就職するのと同じです。

農業法人が取り組む農業は、個人事業主による農業よりも事業規模が大きく、スマート農業の積極的な導入により栽培が近代化されています。農業法人の経営ノウハウを身に付けたいという人には適した就農方法です。

農業で起業するために必要な準備

実際に農業で起業するにはどのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、個人で起業・独立就農に必要な準備を紹介します。

知識や栽培技術の習得

農業で利益を生むためには、作物への知識や栽培技術の習得が必要です。知識や技術無しで農業ビジネスを成功させることは、困難だと言えます。

具体的には、農家に弟子入りして知識や技術を身に付ける、企業が実施している農業研修機関や各地の農業大学校などで農業を学ぶなどの方法があります。農業大学校は、41道府県に設置されています。ご自身が農業で起業・独立したい地域の気候や風土に合った農業を学ぶことができます。

資金の調達

農業経営をはじめるには、初期投資や運転資金の調達も忘れてはいけません。作物の苗を購入する費用、農地、ビニールハウスや内部設備など必要なものがたくさんあります。

また、農業をはじめてすぐに作物が収穫できるわけではありません。成果が出るまでの運転資金を確保する必要もあるでしょう。

関連記事:【新規就農者必見!】 新規就農者の支援制度を解説

 

農地の確保

作物を育てるためには、農地の取得も忘れてはいけません。そして、この農地取得が地域にもよりますが、大きなハードルでもあります。

農地の購入や借用のためには、農地の貸し手を探したり、法律に基づき市町村農業委員会の許可を受ける手続きも発生します。

農業経営をはじめるまでに何かと事前準備に時間がかかってくるので、思いついてすぐに農業を始められるわけではないことは理解しておきましょう。

関連記事:ビニールハウスを建設する際に農地の見るべきポイントとは?

農業で起業して失敗しないためのポイント

農業をビジネスとして起業して成功するためには、経営者としての判断やスキルが重要なポイントです。失敗しないためのポイントについて解説します。

関連記事:農業ビジネスを未経験から始めるには?農業参入のポイントを作物別に解説!

 

経営の数値管理をする

失敗しないための第一のポイントは、経営数値管理の徹底です。これは、経営の透明性確保につながります。

農業粗収益や農業経費の計上などを正確に行うのはもちろん、将来的に規模拡大をして従業員を雇用した際の給与などの人件費や福利厚生費、農外収入や雑所得などについても正確に計上しましょう。

消費者目線を身に付ける

農業に限らず、ビジネスにおいて消費者目線を理解することが不可欠です。

ビジネスの現場では、得意とするものやサービスを販売するも、消費者の心理を理解できておらず失敗に終わるケースがよく見受けられます。これは、農業経営にも該当します。重要なのは、消費者が求めているもの、潜在的なニーズがあるものを見抜き、それを商品やサービスとして提供するにはどうすれば良いのかを考えることが重要です。

栽培する作物に付加価値を付ける

起業をして農業に取り組む場合、従来の農業の手法を踏襲しているだけでは、生産効率やブランド化の面からは望む成果は期待できないでしょう。従来の農業は、年月をかけて醸成してきた側面があります。いかに付加価値のある農業を実現していくのかが重要です。

そのために、スマート農業の採用に注目が集まっています。
スマート農業は、先進的な技術やIoTを活用して、少人数でも大規模な農地を管理したり、高度な作物管理を実現し、高品質かつ高収量の作物を栽培できるという取り組みです。

少子高齢化の影響もあり働き手の不足が深刻な農業界では、スマート農業の活用は今後さらに不可欠となります。スマート農業のノウハウの蓄積は、競合との差別化にもつながってきます。

事業を分散する

失敗しないための第一のポイントは、事業の分散です。

作物の市場需給のバランスは上下する傾向にあります。需要が供給を下回ると赤字になる場合もあります。そのため、特定の作物に依存する形の農業経営はリスクが高くなります。生産する作物の種類、同じ作物でも品種をある程度増やせすことでリスクを分散させることができます。

また、販路もECサイトやSNSを使った直販ビジネスの開拓、加工品の製造販売を行うなど事業を分散するといった方法も有効です。

農業の起業で役に立つ補助金・就農支援支援制度を紹介

農業を企業する際に使える補助金・就農支援制度には「農業次世代人材投資資金」があり、準備型と経営開始型の2種類に別れているので解説します。

農業次世代人材投資資金(準備型)

農業次世代人材投資資金(準備型)とは、次世代を担う農業者を志し、就農に向けて研修を受ける者に対して、就農準備資金が交付される制度です。交付を受けるには、以下のような条件があります。

1.就農予定時の年齢が原則50歳未満であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること

2.都道府県または青年農業者等育成センターが「研修機関等認定基準」を満たしていると認めた研修機関等で研修を受けること

交付金は最大で300万円、交付期間は最長で2年間です。

農業次世代人材投資資金(経営開始型)

農業次世代人材投資資金(経営開始型)とは、原則50歳未満であり、次世代を担う農業者となることについての強い意志を持っている者に対して資金が交付される制度です。

新規就農する人に、農業経営を始めてから経営が安定するまでの間、最大3年間、年間150万円が交付されます。交付の条件としては、生活保護などの生活費を支給する国の他の事業から受給していないこと、原則として前年の世帯所得が600万円以下であることなどが求められます。

関連記事:農業の資金調達は難しい?新規就農におすすめの融資・補助金を解説

これから農業をはじめる方へおすすめの作物と収入(所得)

農林水産省は、平成19年まで作物と栽培形態ごとに経営収支をまとめた「品目別経営統計」※を公表していました。過去のデータにはなりますが、参考にしてみてください。

作物 農業粗収益 農業経営費 農業所得
ミニトマト 4,071,000 2,043,000 2,028,000
イチゴ 3,596,000 1,698,000 1,898,000
ナス 3,514,000 1,820,000 1,694,000
シシトウ 3,759,000 2,296,000 1,463,000
キュウリ 2,430,000 1,086,000 1,344,000


調査対象となったビニールハウス栽培の野菜・果物から、もっとも農業所得(農業粗収益から農業経営費を引いたもの)が高い作物5選を以下にまとめました。

作物 農業所得 労働時間 時給
ミニトマト 2,028,000 1,488.19 1,362.73
キュウリ 1,344,000 1,095.09 1,227.30
ナス 1,694,000 1,756.90 964.20
イチゴ 1,898,000 2,091.57 907.45
シシトウ 1,463,000 2,983.39 490.38


農業ビジネスをする上では農業所得だけでなく、労働時間も考慮する必要があります。農業所得が高い5つの作物の、10aあたりの栽培にかかった労働時間から時給金額を割り出したのが以下の表です。

さらに詳細が気になる方は、下記のコラムをご参照ください。

関連記事:ビニールハウス栽培に向いているおすすめ野菜・果物5選!

一人農業で起業するなら施設園芸農業がおすすめ!

施設園芸農業が農業で起業する際におすすめの理由をご紹介します。

ビニールハウスは、小規模なパイプハウスから、大規模な鉄骨ハウスまでさまざまありますが、外部環境と隔離すること病害虫や病気のリスクを軽減でき、スマート農業機器を導入することで環境や生育の制御ができることで、生産量を安定させ且つ、高品質な生産を実現できます。

栽培を安定して行えることは利益の見通しが立てやすく、将来的な規模拡大などに向けて計画的に経営を行えます。

関連記事:施設園芸農業とは?はじめる際のポイントを解説

イノチオアグリは農業で起業する方を応援しています!

イノチオアグリは「農業総合支援企業」をコンセプトに、ビニールハウスに携わり50年以上、培ってきたノウハウを活かし、これから農業を始められる方をご支援します。

施設園芸農業での起業や新規ビジネスをお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。みなさんのお悩みやご相談に専門知識を持った社員が対応します。